母へ 10代以下 埼玉県 第8回 佳作

ありがとう
黄野 春霞 様 17歳

 お母さんはいつも私の味方になってくれた。いつも自分の事よりも私の事を一番に考えてくれていた。私をいっぱい愛してくれていた。それなのに私は「ありがとう」をきちんと伝えられていなかった。

八年前の夏、一緒に家族で行くプールの予定立てていたよね。まさか行けなくなるなんて思いもしなかった。あの日、意識不明のお母さんの目から涙が出ていたのを忘れられない。七月三十日、「ピー」という機械が鳴り、お母さんは天国へ行ってしまった。

今になってお母さんの優しさや凄さに気づくことが多くて、「あの時にもっと気づいていれば」と後悔ばかりしている。お母さんが倒れた時、お母さんが発した言葉は「春霞のご飯作らなきゃ」だったね。お母さんはどんなに具合の悪い時にもご飯を準備してくれたし、「大丈夫」しか言わなかった。選手になるのが夢だった水泳も、お母さんは私の一番のファンだと言ってくれたね。今でも辛い時には、お母さんのその言葉を思い出している。この八年間、「どうして私はあの時わがままばかり言っていたのだろう」「どうしてあの時もっとお母さんのために何かやらなかったのだろう」と、そればかり考えていた。もしお母さんが生きていたら、こんなに苦しむこともなかったのかな。でも、お母さんの存在がどれだけ大きいかには気づいていなかったかもしれない。

お母さん、苦しかったよね。痛かったよね。でもそんな中、お母さんは笑顔で「ありがとう」という言葉を私に残してくれた。だから私も遅くなってしまったけど、感謝の気持ちを伝えたい。産んでくれてありがとう。愛してくれてありがとう。そして私がお母さんに感謝を伝える事ができる一番の方法は、私が今、頑張ること。全力で生きて、立派な大人になることだと思う。お母さん、私、お母さんのような人になりたい。私、頑張るから。

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