父へ 50代 沖縄県 第2回 銀賞

亡き父へ
松川 敦子 様 52歳

「おとう!」あの日から三十八年が過ぎましたね。おとうがいなくなってから私達は、母ちゃんと、おばー(祖母)と弟二人と五人暮らしになってしまいました。おばーは寝たきりで、「自分が先かと思っていたのに、何故、若いおとうが先に逝くかー」と毎日泣くし、母ちゃんは三人の子供と寝たきりのおばーの生活をささえるため、日雇い労務へ行き、帰ってきて夕方から畑仕事に出かけ、泣いてるひまもないくらいに働き、男の人でもこんなに働かないよねーと思うくらいに働きオシャレもしない、自分の服も買わない、ただ、ひたすら働き、私達に何一つ不自由な事させないように頑張ってましたよ。

「おとう! 母ちゃんの頑張り見てましたか」

 そのうち、おばーもこの世を去り、三人の子供は皆、結婚して今では、孫も、ひ孫もいます。働き者の母ちゃんは七十四才になりました。まだパン屋さんで現役で働いています。さとうきび作りも頑張ってます。先日製糖工場から表彰されるほどです。働き者の母ちゃんは、収入のほとんどを子や孫達のために使います。働き者で欲のない母ちゃんは、隣近所の方々からも好かれ、本当にやさしい母です。

 私は、まだ母ちゃんに親孝行してません。これから母ちゃんに長生きしてもらい、一つでも多くの幸福を母ちゃんに贈りたいと思います。だから、おとう! 母ちゃんを見守って下さいね。だって、おとうは働いて私達や、おばー、母ちゃんに楽しい生活をさせる大黒柱だったんですよ、それを三十八年前、放棄して、母ちゃんをにその役を押しつけて天国に昇ったんです。三十八年間頑張り続けている母ちゃんを見守るのは、おとうの務めだと思います。だからお願いします。天国にいらっしゃる身内の方々と一緒に母ちゃんをお守り下さい。

 最後に、母ちゃんが再婚しなかったのは、「天国のおとうの事が一番好きだから」だと話してましたよ。おとう、嬉しいでしょう。おとうの笑っている顔が目に浮かびます。

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