大好きなおばあちゃん、今頃天国でおじいちゃんと仲良くしてるかな?三十三歳でおじいちゃんを亡くしてから女手一つでお母さん達を育て上げたおばあちゃん。辛いことも沢山乗り越えてきたんだろうな。
私は小さい頃からおばあちゃん子で、おばあちゃん大好きで……そんなおばあちゃんに限って認知症になるなんて思ってもみなかったし、信じたくなかった。
私ね、おばあちゃんのことが嫌いになったから老人ホームに会いに行かなくなった訳じゃないよ。会いに行く度に、おばあちゃんの記憶の中から私の存在が消えて、顔の表情も消えて、入所している人にかみついたり、暴れるからってベッドに手足を縛られ……そんなおばあちゃんを見るのが辛かった。おばあちゃんが、おばあちゃんじゃなくなっていくのが怖かったの。私の大好きなおばあちゃんが、なんで……ってすごく悲しかった。
私がおばあちゃんに会いに行かなくなったある日、私ね、生まれて初めてすごい高熱にうなされたの。苦しくて苦しくて……。夜通し苦しんだ明け方、お母さんから電話があったの。「おばあちゃん……死んじゃった……」って泣きながら。おばあちゃん、私が高熱でうなされていたのは「私も苦しいんだよ。会いに来て」って私を呼んでたんだね。
おばあちゃんが一番辛かったね。苦しかったね。私、おばあちゃんが私のことを忘れても私の知らないおばあちゃんになっても、もっともっと会いに行けばよかった。会って、おばあちゃんにもっと話しかけてあげればよかった。おばあちゃんがどんな姿になったとしても、私の大好きなおばあちゃんに変わりないのだから。おばあちゃん、本当に本当にごめんね。寂しい思いをさせてごめんね。
おばあちゃん、私、おばあちゃんに話したいことがいっぱいあるんだ。だから今度、天国のおじいちゃんに少しだけ留守番しててもらって私の夢の中に遊びに来てね。絶対だよ!
大好きな、おばあちゃん。